estwald2002のブログ

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映画「コンタクト」感想

  • 1997年、アメリ
  • 監督:ロバート・ゼメキス
  • 主演:ジョディ・フォスターマシュー・マコノヒージョン・ハートジェームズ・ウッズトム・スケリットウィリアム・フィクトナーアンジェラ・バセットデビッド・モース
  • あらすじ:
    天文学者のエリーは「宇宙人は必ずいる、人類にコンタクトしてくる」と強く信じ、電波望遠鏡であらゆる方角のノイズを聞いていた。だが上司のドラムリンからたびたび妨害を受ける。プロジェクトが危機に陥ったまさにそんな時、26光年離れたこと座のヴェガから信号が届く。解析するとそれは一人乗りの輸送船の設計図であった。乗員に立候補するエリーだが、神を信じていないという理由で落選し、ドラムリンが乗員に選ばれる。しかし輸送船のテスト中、狂信的なテロリストの自爆により装置は粉々に砕け散ってしまう。落胆するエリーのところに、今まで彼女に資金援助をしてきた謎の富豪ハデンが、密かに北海道に建設していたもう1台の輸送船に乗らないか、と誘う。果たしてエリーはヴェガで何を見るのか。宇宙人の目的は一体…。
  • 感想:
    原作はSETI(地球外知的生命探査)の推進者としても有名な天文学者カール・セーガンの小説。彼もこの作品の製作に加わっていたが、残念ながら完成を見ることなく世を去った。エンドクレジットの前には「FOR Carl」と記されている。本作はSF映画であるが、「人間は科学だけで幸福になれるのか」「科学は宗教を否定するのか」という深いテーマを描き出している。エリーは幼い頃から数学や物理学に大変秀でた成績を修めたが、一方で「データのないものは存在しない」「子供の時父親が発作で死んだのは神の思し召しなどではなく自分が薬をそばに置いてなかったから」と信じ込んでいた。まるで彼女の「宇宙人は存在する」という狂気に近い信念がヴェガからの信号を呼び寄せたかのように見えた。そして、エリーと複雑な恋の関係にあったパーマーは、思想的にエリーと対極にあるといってもいい神学者。「神がいない世界なんて想像したくない」と言うパーマーにエリーは「思い込みでは? 私は証拠がないと」と返すが、「君はお父さんを愛していると言ったが、その証拠は?」とパーマーに言われて絶句する。「物心ついた頃から『人間は何なのか、なぜここにいるのか』答えを求めていた。その答えの一端でも分かるなら命を懸ける価値がある」と言ったエリーに、パーマーが乗員選考委員会で「あなたは神を信じますか?」とわざと質問し、エリーが「データのないものは信じません」と正直に陳述して落選する一方で、それまでさんざんエリーの邪魔をしてきたドラムリンがうわべだけの信仰を口にして乗員に選出されたのには、「お前ずるいだろ!」とツッコミを入れたくなった。だが、宗教テロリストによって輸送装置が破壊され、ドラムリンも亡くなった時は、エリーに心底同情した。そこに手を差し伸べたのは、世界企業ハデン社の総帥ハデン。パーマーに「本音は君を放したくなかったからだった、必ず帰ってくるね?」と抱きしめられて、第2の装置からエリーは深宇宙へと旅立つ。彼女はワームホールを次々と抜け、穏やかな浜辺で目覚める。そこで出会ったのは、死んだはずの父親だった。それは宇宙人がエリーの記憶から再生した姿だった。「君たちは興味深い、複雑な種だ。美しい夢を追う力がある、破滅的な悪夢も描く。我々は気づいたんだ、宇宙で貴重なのはお互いの存在なのだと。これは第一歩だ。帰りなさい、またいつか」と宇宙人が話したところでエリーは地球に帰還する。しかし、地上ではエリーはたった1秒以下しか消えておらず、誰も彼女の体験談を信じなかった。彼女は査問会で訴える。「証拠は何もありません。しかし私は体験しました。人類がいかに小さく、そして貴重なものかを教えられました」と。そんなエリーを歓呼して迎える大勢の群衆。パーマーは「科学と宗教の違いはありますが、追い求めるものは一つ、真実の探求です。僕は彼女を信じる」と報道陣に胸を張って言う。一方で彼女のビデオカメラを解析すると、18時間分のノイズが記録されていたのだった…。エリーには予算が付けられ、さらに台数の増えた電波望遠鏡で研究を続ける。あれは夢だったのか、現実だったのか。地上の砂をすくい、思いにふけるエリー。
    ヴェガからの信号を検知したシーンは本当にわくわくして何度も見たくなる。また、その信号が一見ベルリン・オリンピック開会式のヒトラーの演説映像だったというのも、光の速度の時差を考えてよく作られたお話だったと思う。
    この作品にはこれでもかというほど多数のテレビモニターが登場しており、未来的なセッティングがなされている。また、ゼメキス監督の前作「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1995年)と同様、実在の人物の映像素材が利用されており、大統領役に使われたクリントン大統領(当時)からは「勝手に加工して使わないで欲しい」との苦情が来たと聞く。そして、映像加工には当時発売されて間もないPhotoshopも使われており、民間向けソフトでも劇場映画のレベルに十分耐えるようになったことを示している。

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